こんにちは、院長の宮脇大です。
前回は「SASと高血圧」の話をしました。
今日はその続きで、**「SASと糖尿病」**の関係についてお話しします。
「糖尿病の薬を飲んで食事も気をつけているのに、HbA1cがなかなか下がらない・・」
こういうお悩みをお持ちの方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
SASと糖尿病は「セット」で起きやすい
SASと2型糖尿病の合併率は、かなり高いんです。
研究によって数字は多少ばらつきますが、SASの患者さんの30〜40%に糖尿病または耐糖能異常(糖尿病の一歩手前の状態)が合併しているというデータがあります。
逆から見ると、糖尿病の患者さんにもSASが多い。
この関係は偶然ではなく、SASそのものが血糖値を上げるメカニズムを持っているからです。
なぜ無呼吸が血糖値を上げるのか
少し仕組みの話をします。
睡眠中に無呼吸が繰り返されると、体の中で2つのことが同時に起きます。
① 交感神経が亢進してストレスホルモンが増える
無呼吸が起きると、脳は「危ない」と感知して交感神経を全開にします。
するとコルチゾール(ストレスホルモン)やアドレナリンが分泌されます。
これらのホルモンには「血糖値を上げる」作用があります。
肝臓がグルコースを放出したり、筋肉や脂肪でのインスリンの働きが悪くなったり。
一晩に何十回も繰り返されると、慢性的に血糖値が高い状態が続きやすくなります。
② 間欠的な低酸素が炎症を引き起こす
無呼吸→呼吸再開→無呼吸・・というサイクルで、体は繰り返し「低酸素→酸素再供給」を経験します。
この**「間欠的低酸素」**が、脂肪組織に炎症を起こします。
炎症性のサイトカイン(TNF-αやIL-6など)が増えると、インスリンのシグナルが細胞に届きにくくなる、つまりインスリン抵抗性が高まります。
インスリンが分泌されても、細胞が「使えない」状態になってしまうんです。
これが、血糖値がなかなか下がらない原因の一つになります。
深夜・早朝の血糖値が特に乱れやすい
SASがある方は、夜中に無呼吸が起きるたびにストレスホルモンが分泌されます。
その結果、夜間から早朝にかけて血糖値が上昇しやすいという特徴があります。
「朝起きたときの血糖値(空腹時血糖)が高い」という方は、夜間のSASが影響している可能性があります。
これは食事で変えられる問題じゃないんですね。
寝ている間に体の中で起きていることだから、食べ方を変えても血糖値が安定しない、という悩みにつながることがあります。
「薬と食事を頑張っているのに、HbA1cが下がらない」
HbA1cは過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映する指標です。
「食事制限もしているし、薬もちゃんと飲んでいる。それなのになぜかHbA1cが目標値まで下がらない・・」
こういう方を診ると、SASが見つかるケースが少なくありません。
特に、肥満気味・首が太い・いびきがあるという3つが揃っている糖尿病の方は、SASの合併を疑う価値があります。
SASを治療せずに糖尿病だけ治療しても、根本原因の一つが残ったままなので、血糖コントロールに限界が出てしまうことがあるんです。
CPAPで血糖値・HbA1cが改善することがある
SASの治療(CPAP)を始めると、インスリン抵抗性が改善し、血糖値が安定してくるケースがあります。
すべての方で大きな変化があるわけではなく、個人差があります。
ただ、夜間の低酸素と交感神経の過剰な働きを抑えることで、体全体のホルモンバランスが整い、血糖コントロールがしやすくなるというのは、複数の研究で報告されています。
「CPAPを3ヶ月使ったら、HbA1cが少し下がってきた」という患者さんを、実際に経験しています。
SAS+糖尿病は心血管リスクが相乗的に高まる
SASも糖尿病も、単独でも心臓・血管にダメージを与えます。
この2つが合併すると、心血管リスクが相乗的に高まることが知られています。
放置するとこわい睡眠時無呼吸症候群 — 心筋梗塞・脳卒中・突然死との意外な関係でも書きましたが、SASを放置すると心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がります。
糖尿病がある方にとっては、SASの合併チェックと治療は、心血管を守る上でも特に重要です。
こんな方はSASの検査を検討してほしい
以下に当てはまる方は、SASの合併を確認する価値があります。
- 2型糖尿病で治療中だが、HbA1cがなかなか目標値に届かない
- 朝の空腹時血糖値が高め
- 肥満気味(BMI 25以上)で、首まわりが太い
- いびきがある、または呼吸が止まっていると言われたことがある
- 日中に強い眠気がある
「糖尿病の主治医には相談しにくい」という方も多いのですが、SASは内科・呼吸器科・耳鼻科など複数の科で診ることができます。
当院のように、オンラインで相談・検査が受けられるクリニックも選択肢の一つです。
Doctor’s Fitness 診療所では
SASと生活習慣病(高血圧・糖尿病など)の合併が気になる方にも対応しています。
検査の流れはこの通りです。
- LINEで無料相談
- オンライン初診(保険適用)
- 自宅で簡易検査(アプノモニターを1晩装着して返送)
- 結果説明もオンライン
ここまでは全国どこからでも、来院不要で完結します。
SASが確認されてCPAPが必要な場合は、最初の2回は対面診療になりますが、検査・診断のステップはオンラインで進められます。
「糖尿病があって、もしかしたらSASも関係しているかも」と気になっている方は、ぜひ一度ご相談ください。
血圧の薬を飲んでいるのに下がらない方へ — SASと高血圧の関係もあわせてご覧ください。
「ちょっと相談してみようかな」と感じた方は、ぜひLINEからお気軽にどうぞ。 「ブログを読みました」と一言添えていただければ、私が直接対応します。
検査を受けるかどうかは、お話ししてから決めていただけますので、 まずは気軽に、ということを大事にしています。
それでは、また!
次回は「アプノモニターって何? — 自宅でできるSAS検査キットの使い方と精度」についてお話しする予定です。「検査ってどうやるの?」という疑問に、もう少し詳しくお答えしますね。
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