こんにちは、院長の宮脇大です。

「午後の会議でどうしても眠くなる」 「最近、メールの誤字や打ち間違いがやけに多い」 「判断に時間がかかるようになった気がする」

こういうお話、外来で本当によく聞きます。

ご本人は「年のせいかな」「仕事が忙しいからかな」と思っていることが多いんですが、調べてみると、その背景にSAS(睡眠時無呼吸症候群)が隠れていた・・というケース、じつは少なくないんですね。

今日は「SASと仕事のパフォーマンス」というテーマで、なぜ眠気だけでなく集中力や判断力まで落ちてしまうのか、そのからくりについてお話ししてみますね。


なぜSASがあると、仕事のパフォーマンスが落ちるのか

ここはぜひ知っておいてほしいポイントです。

SASでパフォーマンスが落ちる理由は、シンプルに言うと 「眠っているようで、脳がちゃんと休めていない」 からです。

無呼吸・低呼吸が起こると、その都度、脳は「呼吸を再開させなきゃ」と一瞬覚醒します。これを 「微小覚醒(マイクロアラウザル)」 と呼びます。

本人は気づかないことがほとんどなのですが、ひと晩のあいだに、これが何十回〜何百回も起こります。

すると、

  • 深い睡眠(ノンレム睡眠の深い段階)に入りづらくなる
  • レム睡眠が分断される
  • 朝起きたときに「ちゃんと眠った感じがしない」

という状態になるんですね。

時間的には「7時間寝ているのに」、中身は「2〜3時間しか眠れていない」のと似たような状態になることもあります。

これでは、日中のパフォーマンスが落ちて当然なんです。


仕事に出る「3つの影響」

SASの影響は、いわゆる「日中の眠気」だけではありません。

私が外来でお話を伺っていて、特に多いのが次の3つです。

1. 集中力・注意力の低下

打ち合わせの内容が頭に残らない。読みかけの資料に戻るたびに「あれ、ここどこまで読んだっけ?」となる。 こういう「注意の持続が短くなる」感覚は、SASのある方からよく聞きます。

2. 判断力・反応速度の低下

「ちょっと考えれば分かることなのに、判断にやけに時間がかかる」 「以前ならパッとできていた処理が遅くなった気がする」

これも睡眠の質が落ちることで起こりやすい変化です。

特に職業ドライバーの方の場合、反応速度の低下は事故リスクに直結するので注意が必要です。詳しくはトラック運転手・タクシードライバーの方へ — 仕事と命を守るSAS検査もあわせてご覧ください。

3. 感情コントロール・気分の不安定さ

「最近イライラしやすい」「気分の浮き沈みが大きい」と感じている方もいらっしゃいます。

睡眠不足が続くと、感情をコントロールする脳の働き(前頭前野や扁桃体のバランス)が落ちることが報告されています。

「性格が変わった」のではなく、「脳が休めていないだけ」というケースが多いんですね。


「ちゃんと寝ているのに眠い」のからくり

患者さんからよく聞くのが、「いやでも、7時間ちゃんと寝てるんですよ??」という言葉です。

そう、ここがSASのやっかいなところ・・。

時間として横になっていても、眠りの中身がスカスカになっているのがSASの特徴です。

たとえると、

  • 一般的な睡眠不足 = 「短いけど深いコーヒー一杯
  • SASの睡眠 = 「長いけど薄〜く薄めたコーヒー

どんなに長く飲んでも、薄いコーヒーでは目が覚めません。

「寝ている時間は足りているはずなのに、日中眠い」「休日に長く寝ても疲れが取れない」という方は、一度SASを疑ってみる価値があると思います。


「年齢のせい」と片付けるのはちょっと早いかも

40代・50代を超えてくると、

  • 集中力が続かなくなった
  • 物忘れが増えた気がする
  • 仕事の効率が落ちた

こういった変化を「年齢のせい」と感じる方が増えてきます。

もちろん加齢の影響もありますが、SASは40代以降・男性・体重増加傾向の方で急に増えてきます

「年齢のせい」と思っていた症状が、検査してみたらSASが原因で、治療したらかなり改善した・・というケースは多いんです。

「これは年だから仕方ない」と諦める前に、一度睡眠の質をチェックしてみてもいいかもしれませんね。


治療すると、仕事のパフォーマンスは戻る?

ここはよく聞かれる質問です。

結論から言うと、SAS治療で日中の眠気や集中力が改善することは、多くの研究や臨床報告で確認されています

CPAP療法を始めて1〜2ヶ月で、

  • 「朝の頭の重さが消えた」
  • 「午後の眠気がなくなった」
  • 「会議の最後まで頭が回るようになった」

といった変化を実感される方が多いです(個人差はあります)。

CPAPがどんな治療かについてはCPAPって何?保険適用の条件・費用・効果をやさしく解説で詳しくお話ししていますので、こちらもご覧くださいね。

「仕事の質が戻った」「以前の自分に戻れた」という言葉を聞くたびに、医師としてやっていてよかったなと思います。


Doctor’s Fitness 診療所では — 働きながら検査できます

当院では、SASの検査と診断を 全国どこからでもオンライン で受けられます。

「仕事が忙しくて病院に行く時間がない」「平日に休めない」という方こそ、活用していただきたい仕組みです。

検査・診断までの流れ

  1. LINEで無料相談(仕事の合間の数分でOK)
  2. オンライン初診(保険適用・自宅や職場の休憩室から)
  3. 簡易検査キット(アプノモニター)がご自宅に届く — 1晩装着して返送するだけ
  4. 結果説明もオンライン

ここまでは病院に出向く必要はありません。

CPAPが必要になった場合

検査の結果、CPAP療法が必要となった場合は、最初の2回は対面診療をお願いしています。

3回目以降は、状態が安定していれば月1回のオンライン診療に切り替え可能です。

最近のCPAP機器は使用データが毎日クラウド経由で医師に共有されるため、対面しなくても精度の高い診察ができるんですね。出張が多い方や、平日の通院が難しい方にも続けやすい仕組みになっています。

機器のセットアップ・マスクのフィッティングは、CPAPメーカー(帝人さん等)のスタッフが担当しますので、初めての方も安心してください。


「仕事のパフォーマンス」は健康のサイン

「日中の眠気」「集中力の低下」「ケアレスミスの増加」

こうした症状は、ご本人が「ちょっと疲れているだけ」「気のせい」と片付けがちなんですが、身体からの大事なサインでもあります。

特に、

  • いびきを家族から指摘されたことがある
  • 朝起きたときに頭が重い・口が乾いている
  • 体重が増えてきた

こういった条件が重なる方は、SASの可能性を一度チェックしてみることをおすすめします。

セルフチェックの項目はこんないびき・眠気は要注意 — SAS(睡眠時無呼吸症候群)セルフチェック10項目にまとめていますので、よろしければご覧ください。


まとめ

  • SASがあると、眠っているようで脳がしっかり休めていない
  • 結果として、集中力・判断力・感情コントロールが落ちる
  • 「年齢のせい」と思っていた変化が、SASだったというケースは少なくない
  • 治療で日中のパフォーマンスが改善する方は多い(個人差あり)
  • 仕事を休めない方こそ、オンラインで検査・診断を進めるのがおすすめ

「最近、仕事のパフォーマンスが落ちたかも」と感じている方は、ぜひ一度LINEからお気軽にご相談ください。

「ブログを読みました」と一言添えていただければ、私が直接対応します。

検査を受けるかどうかは、お話ししてから一緒に決めましょう。


それでは、また!

次回は「SASと血圧の関係 — 高血圧がなかなか下がらない方へ」についてお話しする予定です。「降圧薬を飲んでも血圧が安定しない」「夜間や早朝の血圧が高い」、そんな方には、SASが関わっている可能性があるんですよ・・。


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