こんにちは、院長の宮脇大です。
「先生、横向きで寝るといびきが減るって本当ですか?」 「うちの夫、仰向けで寝てるときだけ、すごいいびきなんです」
こういうご質問、よくお聞きします。
実は、寝姿勢といびき・無呼吸の関係って、けっこう密接なんです。 そして、寝姿勢を変えるだけで改善する方も、一定数いらっしゃいます。
今日は、寝姿勢とSASの関係について、お話ししてみますね。
なぜ仰向けでいびきがひどくなるのか
まず、仰向けで寝た時に何が起きるか、見ていきましょう。
仰向けになると、
- 舌の付け根が、重力で喉の奥に落ち込む
- 軟口蓋(喉ちんこの周辺)も下に下がる
- 首まわりの脂肪が、気道を圧迫する
これが起きるんですね。
つまり、
仰向けは「重力が気道を狭める方向に働く」姿勢
なんです。
特に、
- 体重が多めの方
- 顎が小さい方
- 首が太めの方
- お酒を飲んだ後
こういう条件が重なると、仰向けで一気に無呼吸が悪化することがあります。
横向きにすると、なぜ改善するのか
逆に、横向きで寝ると、
- 舌が横に倒れて、気道を塞ぎにくい
- 軟口蓋も重力の影響を受けにくい
- 首まわりの脂肪も、横方向に分散される
こういった理由で、気道が広く保たれやすいんです。
実際、
仰向けでAHIが30の方が、横向きで寝るとAHIが10台に下がる
というケース、けっこう見かけます。
これを医学的には**体位性SAS(POSA:Positional OSA)**と呼びます。
体位性SASってどのくらいの方に当てはまるのか
実は、SASの方の中で、
仰向けの時のAHI ÷ 横向きの時のAHI ≧ 2
つまり、仰向けと横向きで2倍以上の差がある方は、SAS全体の**約30〜50%**いると報告されています。
これ、結構な割合ですよね。
「自分は仰向けで悪化するタイプかも?」
検査をすると、寝姿勢ごとのAHIも分かります。 気になる方は、検査結果を一緒に見てみましょう。
横向き寝を続けるための工夫
「じゃあ、横向きで寝ます!」
そう思っても、寝てる間に勝手に寝返りで仰向けに戻ってしまう・・というのが現実ですよね。
そこで、横向き寝を維持するためのコツをいくつかご紹介します。
1. 抱き枕を使う
体の前と後ろに抱き枕を置くと、横向きの姿勢が保たれやすくなります。 妊婦さん用の大きめの抱き枕も、SAS対策に有効。
2. リュック作戦
寝間着の背中側にリュックを背負って寝る、という方法。 中にタオルやテニスボールを入れると、仰向けになろうとしたとき違和感で横向きに戻ります。
「変だけど、本当に効くんです」と、患者さんからよく言われます。笑
3. 体位センサー付きデバイス
最近は、体位を検知して振動で知らせてくれる小型デバイスもあります。 仰向けになると、首の後ろに装着したセンサーが「ブルッ」と振動して、横向きに戻すよう促してくれる仕組みです。
4. 枕の高さを見直す
枕が高すぎると、横向きでも気道が圧迫されます。 低すぎても顎が引けて気道が狭くなる。
横向きで寝た時に、首が水平になる高さが理想です。
ただし、寝姿勢だけで完治するわけじゃない
正直にお伝えします。
寝姿勢の改善だけでSASが完治する人は、限定的です。
特に、
- 重症SAS(AHI 30以上)の方
- 体位に関係なく無呼吸が起きる方
- 心血管リスクが高い方
こういう方は、寝姿勢の工夫だけでは不十分。 CPAPなどのしっかりした治療が必要です。
「横向きで寝てるから、検査受けなくていいや」というのは、ちょっと危険な発想なんですね。
うつ伏せ寝はどうなのか
「うつ伏せだと、いびきが減りそう」
そう思う方もいらっしゃいます。 確かに、うつ伏せだと舌が前に落ちにくいので、無呼吸が減ることはあります。
ただ、
- 首をどちらかに曲げて寝るので、首・肩こりや頸椎への負担が大きい
- 顔・目が枕に押されて圧迫感がある
- 呼吸が浅くなりやすい
こういったデメリットがあって、長期的にはあまりおすすめできません。
横向きの方が、無理なく続けられて、体への負担も少ないというのが、私の見解です。
「最初に寝た姿勢」を意識する
もう一つ、よくお伝えしているコツがあります。
入眠時の姿勢を、横向きにする
寝つく瞬間の姿勢って、その後の寝姿勢にも影響するんです。 「最初に横向きで眠りに入る」だけでも、夜中の仰向け時間が短くなる、というデータもあります。
寝るときに、
- 抱き枕を使う
- 横向きでスマホやお腹周りに枕を抱える
- パートナーに「横向きで寝てね」と言ってもらう
こんな小さな工夫から始めてみてくださいね。
検査で「寝姿勢ごとのデータ」を見られます
SASの簡易検査(アプノモニター)では、
- 仰向け時のAHI
- 横向き時のAHI
- うつ伏せ時のAHI
これらが分かります。
「自分は仰向けでだけ悪化するタイプか?」 「横向きで寝れば改善するのか?」
これを知るだけでも、対策の方向性が見えてきますよね。
検査の流れは自宅でできるSASの検査 — まずはここからで詳しく書いています。
Doctor’s Fitness 診療所では
検査結果をオンラインでご説明する際、
- 寝姿勢ごとのAHI
- 体位性SASかどうか
- 横向き寝で改善できそうか
- CPAPが必要そうか
こういった情報を、画面共有しながら一緒に確認します。 そして、その方に合った治療法・生活習慣の改善策をご提案します。
検査・診断はオンラインで完結。 CPAP治療が必要な場合も、最初の2回だけ対面で、その後はオンライン診療に切り替え可能です。 詳しくはSASの診療がオンラインで完結する時代にをご覧ください。
「うちの家族、仰向けの時だけいびきがひどい」 「自分は横向き寝でなんとかなりそうな気がするけど、確かめたい」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
LINEから「ブログを読みました」と一言添えていただければ、私が直接対応します。
寝姿勢の工夫は、SAS対策の第一歩としては、とても大事です。 でも、それだけで「治った」と思い込まないこと。
まずは検査を受けて、自分のSASの状態を客観的に把握する。 その上で、寝姿勢・減量・CPAPなど、適切な対策を組み合わせていく。
これが、結局は一番の近道なんですね。
次回は、「健診で『無呼吸の疑い』と言われたら — 次にすべき3つのこと」について お話ししてみようと思います。
それでは、また!
#寝姿勢 #横向き寝 #いびき #SAS #睡眠時無呼吸症候群